ネット社会とファッション・トレンド
現在はとにかく生活のスピードが早い。情報化時代のデーター処理速度に合わせるかのように、誰もがせっかちになってしまった。自動改札で足を止めようものなら、後ろの人間がブーイングをする。レジの支払いでまごついたりすると、後ろの人間はさっさと隣のレジへ走っていく。そのまま並んでいた方が早く終わったとしても。
ファッションのトレンドに対しても、みんなせっかちになってしまった。常に新しいスタイルを追い求めていないことには気がすまない。そうした傾向は、ファッション業界にとっては、まことに有りがたいことである。売場の商品が次から次と入れ替わってくれるからだ。
その一方で、シャネルなどの古いコンサバ系の古着を買ったり、かまやつ女のように流行に背を向けたり、決まった自分のスタイルをずうっと貫き通す連中もいる。意図的に彼らは時計の針を止めてしまっているのだ。いったんそうしたスタイルを確立すれば、どんなに気分的に楽なことだろうか。
とにかくインターネットが生活のスピードをアップさせた。インターネットが無かった時代のことを知っている人間なら、臨機応変にスピード調節をできるのだが、今の若い人にはそれができない。スピード病になるのが嫌だったら、時計を止めてしまうしかないのだ。各駅停車でゆっくりとした人生を過ごしたい若者にとって、トレンドというのは、実にやっかいなものなのだろう。
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